ビタミンDは丈夫な身体を作り、子供の成長に必要不可欠なカルシウムの吸収をスムーズにする働きがあります。
そのため、ビタミンDが含まれる食品を積極的に料理に取り入れて摂取するのが理想です。
カルシウム不足は、食事からの摂取不足や腸からの吸収不良によって起こります。カルシウムの吸収にはビタミンDを必要とするため、ビタミンD不足により、カルシウム不足が引き起こされることもあります (3) 。
ビタミンDは紫外線にあたる事によって生成されます。逆に日光に全くあたらない生活をしているとビタミンD不足になってしまいます。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、1日に摂取するビタミンDの目安を、生後1歳未満で5μg。大人で5.5μgとしています。
ここではどのような食品にビタミンDが含まれているのか、その食品を使ってどのような料理を作ることができるのか、また、子供用の身長サプリメントを使用することの是非について触れていきます。
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どのような食品にビタミンDは多く含まれるのか?
ビタミンDは成長期の子供には欠かすことができない非常に重要な栄養素ですが、一体どのような食品にビタミンDが多く含まれているのでしょうか。
ビタミンDは脂溶性のビタミンであり、D2とD3に分けることができます。
これは植物性食品と動物性食品のどちらに多く含まれているかが主な違いですが、人間の身体にとって効率が良いのは動物性食品から摂取できるビタミンD3です。
植物性食品に多く含まれているビタミンD2は、主にしいたけや、しめじ等のきのこ類から摂取できます。
なお、きのこの中でも生きのこや、日光(紫外線)にあてて乾燥させて干したきのこがありますが、ビタミンDを摂取するなら干したしいたけ等の方が効率が良く、保存もきくので料理に利用しやすいというメリットがあります。
ビタミンD3は動物性食品から摂取することができ、代表例は以下の食材になります。
- レバーや肝油
- いわし
- かつお
- さんま
- 鮭
- ぶりなどの魚類
- 卵黄
ビタミンDはD2もD3も比較的料理に使いやすい食材が多いので、日頃から意識して献立に取り入れると良いでしょう。
カルシウムの吸収にビタミンDは必要不可欠
成長期の子供にビタミンDが必要不可欠な理由の1つとして、カルシウムを吸収するためにはビタミンDが必要だからという点が挙げられます。
ビタミンDには、カルシウムとリンが小腸で吸収されやすくなる効果があります。健康長寿ネットによると血液中のカルシウム濃度を一定に保たせる働きがあり、これによって筋肉の収縮や神経伝達を正常にしています。
ビタミンDの生理作用の主なものに、正常な骨格と歯の発育促進が挙げられます。また、小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収を促進させ、血中カルシウム濃度を一定に調節することで、神経伝達や筋肉の収縮などを正常に行う働きがあります。
特にカルシウムに対しての役割が重要です。もしビタミンDが不足してしまうとカルシウムの吸収率も低下すると言われています。
ビタミンDが欠乏すると、腸管からのカルシウム吸収の低下と腎臓でのカルシウム再吸収が低下し、カルシウムが不足して低カルシウム血症となります。
このようなリスクを減らすためにも、ビタミンDを含む食品を料理に取り入れ、しっかり摂取するようにしましょう。
ビタミンDは成長や身長サポートに欠かせない栄養素
ビタミンが非常に重要な栄養素であることは既に周知の事実ですが、そのビタミンは13種類もあります。
13種類のうちどのビタミンが子供の成長を促し、成長を助けるのか。
身長をスクスク伸ばすために特に摂りたいのは、次の5種類です。
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- ビタミンC
- ビタミンA
- ビタミンD
5種類それぞれに役割がありますが、今回焦点を当てていくビタミンDには、カルシウムやリンなどのミネラルと共に摂取することで、成長に不可欠なカルシウムの吸収率を高める働きがあります。
ビタミンDは日光にあたることで体内で生成されますが、日光にあたらない生活を続けているとビタミンDが作られなくなる可能性があります。
そのため、親御さんはビタミンDを豊富に含む食品を料理するだけでなく、子供と外に出て適度な運動を行うことも意識しましょう。
ビタミンDを多く含んだ食品一覧
成長期の子供の身体は、大人以上に栄養を必要とします。しかし子供の性格や食への関心によっては、
- せっかくビタミンDをはじめ栄養豊富な料理を作っても食べてくれない
- 食が細くて十分な量を食べることができない
このような場合も考えられます。
ビタミンDを含む食品は動物性食品から植物性食品まで幅広く、様々なものがあげられますが、ここではその中でも特に豊富に含んでいるものをご紹介していきます。
栄養バランスの良い食事を作ることが子供の成長を助けることになります。それらの食品を把握して子供にとっても親御さんにとっても健康的な食事を意識するようにしましょう。
1.きくらげ
食物性食品からビタミンDを摂取するならば、最も効率的なのは「きくらげ(乾燥)」です。きくらげには100gあたり、85.4μgのビタミンDが含まれています。
元々きくらげは食物繊維が豊富な食品として知られており、中華料理などに多く用いられますが、その他にも様々な栄養を豊富に含んでいることから、成長期の子供に積極的に食べさせたい食品の1つと言えるでしょう。
きくらげだけでビタミンD、ビタミンB2、食物繊維、カルシウム、マグネシウム、鉄分、カリウム、亜鉛などを摂取することができますが、特筆すべきはやはり食物繊維の量で、なんとゴボウの約3倍にもなります。
2.干ししいたけ
料理の味に深みを出してくれる食品が「干ししいたけ」です。煮物などの甘辛い味付けが合うことから、成長期の子供に比較的好かれやすい食品の1つですが、この干ししいたけにはビタミンDが豊富に含まれています。
干ししいたけに含まれるビタミンDは100gあたり12.7μgです。きくらげに比べると低い数値になりますが、料理での使いやすさを考えるとやはり常備しておきたい食品と言えるでしょう。
干ししいたけにはビタミンDの他に、食物繊維やカリウム、葉酸が含まれています。
生しいたけにも同じ栄養が含まれていますが、干しは生よりも3倍から30倍も数値が高くなっており、生しいたけより効率的に栄養を摂取することができます。
3.ひらめ
動物性食品からもビタミンDを摂取することができます。
例えば「ひらめ」。生の養殖ひらめには100gあたり、18.0μgのビタミンDが含まれています。
ひらめはあじや鮭と比べるとそこまで料理に採用されることはなく、食卓に並ぶ機会は多くないかもしれませんが、実はビタミンDをはじめ栄誉が豊富で、子供の成長をサポートしてくれる食品です。
ひらめに含まれるビタミンD以外の栄養について触れていくと、まずタンパク質が豊富であるという特徴が挙げられます。タンパク質は子供の成長と健康サポートに欠かせない栄養素です。
この他では、カリウムやセレン、ビタミンB2、ビタミンE、DHAを摂取することができます。
4.真鯛
真っ赤な真鯛はいかにも高級なイメージがあり、一般家庭の料理には取り入れられないイメージがありますが、近年では養殖の真鯛が比較的安価で手に入りますので、実はそこまでハードルが高い食品ではありません。
100gあたり8.0μgのビタミンDが含まれている真鯛ですが、ビタミンD以外にも様々な栄養素が含まれているため、おめでたい席以外でも子供の成長と健康維持のために食べたい食品です。
真鯛にはビタミンD以外にもタンパク質や食物繊維、各種ビタミン、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄など、実に幅広い栄養素が含まれているうえ、低脂肪という特徴もあります。
5.さんま
「さんま」は魚の中でも料理に採用されることが多く、骨さえ取り除けば子供でも食べやすい魚です。
生のさんまには100gあたり19.0μgのビタミンDが含まれており、その他にも成長を助ける栄養素がたっぷり摂取できることから、積極的に子供に食べさせたい食品になります。
ビタミンD以外でさんまに含まれているのは、EPA、DHA、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB2、カルシウム、鉄分などであり、いずれも子供の成長には欠かせない栄養素の一つです。
上記以外のビタミンDの供給源になる食品一覧
ここまで、ビタミンDが含まれている食品をいくつかピックアップしてご紹介してきましたが、ビタミンDは多くの食品に含まれる栄養素であるため、もちろん他にも様々なものがあげられます。
子供が食べやすいものを挙げるならば、炒め物にも煮物にも使えるほんしめじが良いでしょう。
食べやすい食品とは
マッシュルーム(100g/0.3μg)やしいたけ(100g/0.4μg)、えのきたけ(100g/0.9μg)など、きのこ類は成長期の子供でも食べやすく、栄養を豊富に含んでいるのでおすすめの食品です。
動物性食品の場合、ビタミンDを多く含んでいるのはやはり魚類が多いですが、中でも極めて優秀なのがかつおの塩辛で、なんと100gあたり120.0μgものビタミンDを含んでおります。しかし塩辛を好む子供は少ないため、その点がネックです。
また、ぶたロース(100g/0.1μg)や普通牛乳(100g/0.3μg)にも、量はそれほど多くありませんがビタミンDが含まれています。
ビタミンDを多く含んだおすすめ料理一覧
ビタミンDは子供の成長をサポートしてくれる栄養素ですが、そんなビタミンDを多く含む食品の中には、いまいち子供受けをしないものもあるかと思われます。
また、あまり食卓に並ばないが故にどう料理したら分からない親御さんもいるのではないでしょうか。
毎日の献立を考えるのは大変だし、時間や技術の都合でそれほど手の込んだものは作れない。そんな親御さんのために、ここからはビタミンDを豊富に含んだ食品を使ったレシピをご紹介していきます。
きくらげを使った料理
きくらげはビタミンDを豊富に含み、成長に良い食品ですが、独特の見た目と触感から好き嫌いが分かれます。
しかし、トマトと卵という子供受けが良い食品と一緒に炒め、オイスターソースで味付けをすることで食べやすくなるでしょう。
調理方法
最初に、きくらげ(5枚程度)は水につけて戻して硬い部分を取り除き、完熟しているトマト(1個)をくし切りにします。また卵(3個)をボウルに割ってといておきましょう。メインの材料はこれだけです。
油をひいて熱したフライパンに卵を流し入れ、半熟になるよう炒めて取り出します。フライパンに入れたままにしておくと余熱で固まるので、一度取り出し、今度はごま油でトマトときくらげを炒めます。
トマトがしんなりしてきたらオイスターソース(小1)、料理酒(大1)、醤油(大1)をあわせた調味料を半分入れて半熟の卵を混ぜ入れ、最後に残りの調味料を加えて完成です。
干ししいたけを使った料理
干ししいたけと言えば煮物をはじめ様々な和食に使用することができる食材であり、ビタミンDを豊富に含んでいることから子供の成長の助けになる食品ですが、子供の中には和食をあまり好まない子もいます。
そんなお子さんにおすすめなのが、干ししいたけのバター醤油焼きです。
調理法
作り方はとても簡単で、まずはじめに干ししいたけを水につけて戻します。できれば前日のうちに水につけておくのが理想です。水でもどして柔らかくなったしいたけからは、石づきを取っておきましょう。
熱したフライパンにバター(20g)を落として溶かし、しいたけを並べます。この時、干ししいたけの戻し汁を50ccほど入れ、3分から5分程度、火をかけます。
最後にお醤油をお好みの味になるようかけ入れて完成です。しいたけを戻してさえおけば、10分程度でできてしまう簡単レシピです。
サバの水煮
サバの水煮缶を用いたオススメの料理は「サバの水煮缶と大根のキムチいため」です。
調理法
使用する材料はサバの水煮缶(40g)、大根(80g)、キムチ(20g)、万能ネギ(20g)、にんにく(薄切り1枚)、いり白ごま(小さじ1/8)です。
これ等の食材を調理した時、得られる栄養はビタミンD(4.4μg)、タンパク質(10.1g)、炭水化物(7.0g)、脂質(6.7g)、ナトリウム(495mg)、カルシウム(158mg)、塩分(1.3g)、脂肪酸(約5.7g)、食物繊維(2.2g)になります。
じゃこと長芋・わかめのしょうが酢じょうゆかけ
子供の健やかな成長のためにも、栄養価が高くヘルシーな料理を出したいと考えている親御さんにおすすめしたいのが、「じゃこと長芋、わかめのしょうが酢じょうゆかけ」です。
サッパリしていて、大人も子供も食べやすい料理です。
調理法
ちりめんじゃこにはビタミンDが含まれており、「じゃこと長芋、わかめのしょうが酢じょうゆかけ」では、ちりめんじゃこ7.5gで4.6μgのビタミンDを摂取することができます。
この料理で使用する食品は、ちりめんじゃこ (75g)、長芋(50g)、わかめ(もどしたものを30g)、しょうが(1/4かけ)です。
摂取できる栄養はビタミンD(4.6μg)の他、タンパク質(5.2g)、脂質(0.2g)、炭水化物(9.7g)、塩分(1.6g)、ナトリウム(626mg)、カルシウム(89mg)、脂肪酸(約0.2g)、食物繊維(2.3g)になります。
三色きんぴら
「三食きんぴら」は乾燥きくらげとれんこん、にんじんを使用したシンプルなきんぴらで、材料は少ないですが、子供の成長に役立つ栄養をしっかり摂取することができて簡単に作ることができます。
調理法
使用する食品は乾燥きくらげ(4g)、れんこん(40g)、にんじん(30g)と、たったこれだけ。しかしこれだけでもビタミンDは4gで17.4 μg摂取することができるので、非常に健康的です。
1人あたりの栄養成分はビタミンD(17.4μg)、タンパク質(1.9g)、脂質(3.2g)、炭水化物(15.3g)、ナトリウム(603mg)、塩分(1.5g)、カルシウム(31mg)、脂肪酸(約2.9g)、食物繊維(3.8g)となっております。
摂取カロリーも1人分で88kcalなので、家族の体重がちょっと気になっているご家庭におすすめしたいヘルシーな料理です。
栄養満点でも料理が苦手な方は成長補助食品も
今回ご紹介した料理はいずれも手に入れやすい食品を使った簡単なレシピです。
子供が食べやすいものばかりですが、それでも時には料理を作る時間がなく、レトルトや簡単な麺類で済ませてしまうということもあるでしょう。
成長期の我が子に十分な料理を作ることができず、罪悪感を感じる親御さんはいるのではないでしょうか。
そんな時は栄養補助を目的とした子供用のサプリメントを利用するのも選択肢の一つです。
様々なメーカーが子供の成長をサポートするためのサプリメントを販売しています。もちろんビタミンDを豊富に含んでいるものもたくさんあるので、子供の成長のためにも検討してみてはいかがでしょうか。
成長に必要な栄養素配合の栄養補助食品(身長サプリ)
近年、ビタミンDを配合している子供の成長サプリはたくさんありますが、逆にたくさんあり過ぎて何を選んだら良いか分からないということも多いです。
子供のためにサプリメントを選ぶ時は、基本的には「子供用」と銘打っているものを選ぶようにしましょう。
それ以外のサプリは、子供が飲むことを想定していない可能性があります。
子供の成長に必要な栄養素は、
- タンパク質
- 脂質
- 炭水化物
- ミネラル
- ビタミン
サプリを選ぶ時には、過不足になりがちな栄養素だけでなく、バランスよく栄養素が配合されているサプリかどうか確認しましょう。
厚生省の 推奨摂取量 |
平均摂取量 | 過不足 | ||||
たんぱく質 | 男:60.0g | 男:75.4g | なし | |||
女:55.0g | 女:65.8g | なし | ||||
カルシウム | 男:1000mg | 男:678mg | 男:322mg | |||
女:800mg | 女:610mg | 女:190mg | ||||
マグネシウム | 男:290mg | 男:232mg | 男:58mg | |||
女:290mg | 女:209mg | 女:81mg | ||||
鉄 | 男:11.5mg | 男:6.9mg | 男:4.6mg | |||
女:10.0mg | 女:6.1mg | 女:3.9mg | ||||
亜鉛 | 男:9.0mg | 男:9.2mg | なし | |||
女:8.0mg | 女:7.9mg | 女:0.1mg | ||||
ビタミンD | 男:5.5μg | 男:7.1μg | なし | |||
女:5.5μg | 女:5.9μg | なし | ||||
※上記データは厚生労働省の「国民健康・栄養調査」と「日本人の食事摂取基準2015年度版」から算出した数値を比較。 |
ビタミンには様々な種類があり、ビタミンD以外のビタミンも補給できると、より健康な身体作りを行うことができます。また、ミネラルも子供の成長に必要な栄養素です。
最近ではネット通販専用のサプリも多いので、料理や食品だけでは足りない栄養をサポートできるものを選んであげましょう。
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まとめ
子供の成長には、「栄養バランスの良い食事」「良質な睡眠」「適度な運動」が大切です。
どれか1つに偏るのではなく、バランスよく全て行うことが重要ですが、近年では欠食するお子さんも増えているようです。
戦後の日本の食生活は欧米化が進む関係から高カロリー・高タンパクと言われていますが、一方で無理なダイエットをしたり、朝ご飯を抜く子供が増え、成長に支障を来しているケースは少なくありません。
特にダイエット志向の低年齢化は子どもの成長に必要な栄養素の不足を招き、健康に大きな影響をおよぼします。からだの成長に合った食事をきちんと食べて、適度な運動を心がけ元気なからだをつくりましょう。
引用元:農林水産省「みんなの食育」
食事がインスタント食品や外食に偏った結果、ビタミンDなどの栄養が満足に摂取できていない可能性も考えられます。
だからと言って毎食きっちり量やカロリーをはかり、必要な栄養が全て食事で摂れているかをチェックするのは、親御さんにとっても多大な負担になるでしょう。初めて子育てをしている新米ママパパならばなおさらです。
あくまで食事がベースになりますが、そんな時は子供用のサプリメントも食事とあわせて活用してみるのも選択肢の一つです。
【注意事項】
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